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NPO法人 同胞法律・生活センター
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●住まいに関するこんなトラブルC

自身の状況把握必要

 住むということは、人が生きるということと直接結びつく大変重要な要素となります。ある意味では、住まいが人の価値やステイタスを表すものであるということも否めない事実として存在します。私たち在日コリアンが、今現在もすまい探しにおいて少なからず困難を感じているということは、私たちの置かれている位置や社会的価値を表しているということにもなります。

 解放60年を迎えるにあたって、私たちが本当に解放されたのかどうかをもう一度ふり返って見る必要もあるかとは思いますが、このような環境の中で住まいを探すに当たって、私たち自身も少し知恵を付けておく必要があります。

 必ずしも民間の賃貸住宅を探すだけが最良の方法ではないということです。住まいの問題を生活の一部と考え、生活そのものを維持してゆくために行政の制度を利用することも視野に入れておく必要があるのではないかと思います。

 住まいを探す時はまず、自身の状況をしっかり把握しておく必要があります。

 経済状況、仕事、家族構成、保証人の有無、そして健康状態などが重要なポイントとなります。

 不景気によるリストラや事業の失敗などで家庭を支えてゆくことが困難になってしまったという話は、同胞社会でも最近よく耳にします。

 また、経済状況の悪化に加え、少子化に反比例するような形で高齢者との同居を余儀なくされるケースも少なくありません。

 個人的には、最近、DV被害者からの家探しについての相談を多く受けるようになりました。

 家やアパートが見つかったにも関わらず保証人がいないなどということもありえます。

一人で解決しにくい

 このような状況の時には、一人の力では解決しにくい問題も多々あります。

 そういう時には、まず私たちが行政のどのような制度を利用できるかを確認する必要があります。日本の福祉制度はすべて申請という手続きを踏まなければなりません。

 困難な状況にいる人たちをどのような制度の利用へと導くのか、という考えの下で行われているわけではないだけに、黙っていると何の保護も保証も受けられなくなってしまいます。

 今現在住んでいる家が狭く、経済状態が著しく低下し生活に困難を来している場合、公営住宅の申し込みをしてみることもひとつの方法です。また、このような場合、生活保護の対象者になることもあります。

 住宅がないために親族(婚約者も含む)と同居できない場合、あるいは現在住んでいる住宅の家主から正当な理由により立ち退き要求を受けている場合なども公営住宅入居資格者となります。そして高齢者2人世帯であったり、家族が多い場合にも対象になります。

 公営住宅入居に当たっては、ひとり親家庭、多子家庭、障害者、地元住民などが優遇される制度もあります。

 これらの制度は、各自治体や市町村によって異なりますので、必ず担当窓口に直接問い合わせて具体的に確認してみてください。入居申し込みの時期もそれぞれ異なります。

 DV被害者の場合、家探しをするにあたって経済的な条件が良くないケースや仕事を持たない場合がほとんどだと言えますが、同胞法律・生活センターや自治体の福祉担当窓口で生活保護の受給を含め新たな生活を築くための相談をしてみてください。

 民間住宅を借りる際に保証人がいない場合も、行政で保証人制度を実施しているか調べてみた方がよいでしょう。保証会社を使うという手段もあるかと思います。

 ある程度の経済状況が整っているのであれば公団住宅への入居も考えられます。

 家は、人々の生活の拠点です。より良い環境を確保し、自信を持って生きてゆくために努力してゆくことも大切ですが、身近な制度を周知し、利用する事も大切なポイントと言えるでしょう。

 ◆サポーター募集中! 同胞法律・生活センターでは住まいサポート活動を多くの有志の方々の協力を得ながら展開していきたいと思います。◆コリアンの住まい探しに協力してくださる不動産業者、家主の方々、ぜひご連絡ください。◆日本語をネイティブとしない方のための通訳サポーターも募集します。当センターの通訳サポーターとして登録させていただいたうえで、ボランティアとして活動していただきます。(「安、「住まいサポート」チーフ)(NPO法人同胞法律・生活センター、事務局) TEL 03・5818・5424、FAX 03・5818・5429

[朝鮮新報 2005.3.1]


●住まいに関するこんなトラブルB


事前リサーチが必要

 そろそろ、春の新しい門出に備えて移動や引っ越しの準備が始まるシーズンとなります。

 進学、就職、転勤などに伴い欠かせないものとして住まい探しが第一に挙げられると思いますが、私たち同胞の家探しは、困難を極めることだと言うことを同胞であればおそらく誰もが知る事実でしょう。

 とはいえ、この日本で家のない同胞はほとんど見当たらないということは、長年積み上げた周辺との信頼関係の中で住まい探しを解決してきたことは言うまでもありませんが、親切で良心的な大家さんや不動産業者が私たちを支えているという事実も忘れてはいけないでしょう。

 移動や引っ越しが決まり、いざ家探しとなった時、いきなり不動産店に飛び込みあからさまに断られることは、よくある話ですが、そのようなことができるだけ起きないように少し事前準備が必要かと思います。

 まず、どの地方の、どの地域に住みたいのかおおよその目安が付いたところで、同胞ネットワークを利用してその地域の特性や良い不動産店があるかどうかリサーチしてみる事が大切です。

 また、西日本と東日本では賃貸料金の支払いをはじめ賃貸慣習が異なることもあり、その内容についても事前に調べておく必要もあるかと思われます。

保証会社など利用を

 日本で外国人が家を借りるときに困るのは、もちろん人種や言語の問題もありますが、なんと言っても保証人の有無が問題となるケースがほとんどです。

 コリアンに関しても例外ではなく、最近では日本人ですら遠方の親兄弟、親せきは保証人として認められないこともままあります。できれば職場や学校のある地域からさほど離れていない所に住む知り合いや親せき、家族などを保証人に立てられたら良いでしょう。

 もし、保証人を捜すことができない場合には、保証会社を利用することができますが、この場合賃貸契約時に月家賃の30〜50%の保証料を支払うことになります。事前に保証会社と提携している不動産店かどうか調べておく必要もあります。また、川崎市や横浜市では行政が保証人制度を立ち上げており、われわれコリアンも利用することができます。

 今現在、東京、神奈川などの首都圏をはじめいくつかの地域に関しては、同胞法律・生活センターに登録している不動産店、保証会社、関連団体の紹介、または情報提供をすることができます。

 在日同胞にとって住まい探しはまだまだ骨の折れる課題として私たちの目の前に立ちはだかったままですが、これから新しい住まいをさがし、新しい出発を始めることができた時にはぜひ、同胞たちにも親切な不動産店や大家さんに関する情報を同胞法律・生活センターまでお知らせください。

住まい探しのプロが教えるコツ

 これからの時期、新入学や就職を迎えるにあたり、賃貸マンション・アパートの部屋を探す必要のある若い人たちは多いと思います。またこのような場合でなくとも、高齢者を含めた在日同胞のみなさんが部屋探しをする際にいろいろ苦労されていることを少なからず耳にします。

 いずれにしても部屋探しは結構大変なことです。在日同胞が、まだまだ日本社会にある外国人への偏見や差別により、大家や管理会社などから断られるケースがあるのも残念ながら現実です。

 このような中、スムーズに効率良く部屋を探すためには、やはり同胞の状況や立場を理解できる同胞不動産業者に相談するのが近道でしょう。

 事前に相談を受ければ、同胞不動産業者が希望条件で、かつ在日同胞が契約できる部屋を探して、それをお伝えする事ができます。そうすればあちこち不動産会社を訪ねて、国籍による拒絶などの嫌な思いをしなくてすみます。また時間のむだもなく短期間で部屋を探して希望日に入居することができます。

 物件情報の連絡を受けたら、とにかくできる限り早く不動産業者と一緒に現地に足を運んで、直接見て確認されることが大切かと思います。

 同胞の円満な部屋探しをお手伝いするために、昨年新たにスタートした同胞法律・生活センターの「住まいサポート」の窓口へ遠慮なくご相談されることをお勧めします。(黄正基、(有)泰成商事、NPO法人同胞法律・生活センター「住まいサポート」アドバイザー)

 ◆サポーター募集中! 同胞法律・生活センターでは住まいサポート活動を多くの有志の方々の協力を得ながら展開していきたいと思います。◆コリアンの住まい探しに協力してくださる不動産業者、家主の方々、ぜひご連絡ください。◆日本語をネイティブとしない方のための通訳サポーターも募集します。当センターの通訳サポーターとして登録させていただいたうえで、ボランティアとして活動していただきます。(「安、「住まいサポート」チーフ)(NPO法人同胞法律・生活センター、事務局) TEL 03・5818・5424、FAX 03・5818・5429

[朝鮮新報 2005.2.1]


●住まいに関するこんなトラブルA

 Q 結婚と同時に2DKのアパートに入居しました。新婚当初は良かったのですが、子どもが産まれ何かと家財道具も増え、来年には2人目も産まれます。そこで思い切ってもう少し広いアパートに引っ越すことになったのですが、大家さんから「敷金30万円のうちから、原状回復のための修繕費用26万円を差し引きます」と言われました。1年8カ月しか住んでいないし、子どもも赤ちゃんなので、とくに修繕が必要なところはないと思われ、納得がいきません。私としては、室内クリーニングの実費3万円を引いた27万円は返してもらいたいのです。どうすればよいでしょうか?

 A 東京都都市整備局の資料によると、東京都に居住する世帯の4割にあたる約205万世帯が民間の賃貸住宅で暮らしているとのことです。人口の移動が激しい東京などの大都会では、民間の賃貸住宅はそこに暮らす人々にとって非常に重要な問題です。それだけに不動産業者や大家さんと借り手との間のトラブルも多く、契約の更新、家賃の値上げ、入居中の管理、修繕などその内容もさまざまです。その中でも、この相談のように退去時の敷金の返還をめぐるものも少なくありません。

 そもそも敷金とは、賃貸借契約により生じる借り手の側のあらゆる債務、たとえば家賃の未払いや借家を毀損した場合などを担保する目的で、借り手から家主に預けられる金銭のことです。通常の賃貸借契約では、借り手は入居の際にこの敷金を家主に支払い、退去の際には賃借した物件を「原状回復」して明け渡し、そして敷金の返還を請求することになります。ここで問題となるのが、この「原状回復」です。

 「原状回復」は、借り手が故意や過失によって汚したり、破損した部分をもとの状態に戻すということなのですが、この「もとの状態」が借りての入居前の状態、すなわち歳月の経過による老朽や変色、通常の使用による自然の損耗までも修復すべきかどうか、これが敷金トラブルの元になっています。

センター相談員紹介−沈植さん(司法書士、税理士)

 同胞法律・生活センターが開設された当初から相談員としてみなさんのさまざまな相談に触れてきました。在日同胞の相談は、南北朝鮮の法律と日本の各分野の法律が絡んでくるうえに、さらには相談者の特殊な歴史的政治的背景をよく理解していなければ理解しづらいものが少なくありません。たとえば、国籍、相続、在留資格、外国人登録など、在日同胞ならではの問題は日本の専門家では対応が難しいこともあり、同胞の専門家のいるセンターには、とりわけこのような相談がたくさん寄せられています。ここ数年の間に、相談員の幅も広がりをみせており、法律相談のみならず、同胞の企業を株式公開させるためのバックアップをしたり、会計・経営、そして福祉の分野にいたるまで、同胞のみなさんの生活を幅広くフォローアップできるような若い相談員も育っています。また、若手の相談員らがお互いに情報交換や研究交流をする中でカップルも誕生しています。同胞による同胞のための相談センターです。おおいに利用してください。

 民法606条では、貸し主には賃貸住宅の使用のために必要な修繕を行う義務について規定しており、通常の使用による自然損耗、たとえば畳やじゅうたん、壁紙やクロスなどの変色や、家具を置いたためのへこみなどは貸し主の修繕義務に含まれます。

 しかし、貸し主の側からすると、新築同様の状態でないと借り手がなかなか見つからないことから全面改装せざるを得ず、その改装費用を敷金で負担しようとするため、このようなトラブルが多いようです。聞くところによると、食文化などの違いにより、油をたくさん使って調理する中国の人たちの場合、換気扇など台所が汚れやすいことなどから、クリーニングや洗浄の費用をめぐって貸し主ともめることもあるそうです。

 家主から敷金の返還を求めるには、裁判所での調停や少額訴訟という方法があります。この相談事例のように請求額が30万円以下の場合は、簡易裁判所で少額訴訟を行うのがよいでしょう。

 少額訴訟手続きは、弁護士に依頼しなくても本人でも可能です。また裁判所の許可を得て、事情のよくわかっている親せきや友人を代理人にすることもできます。手続きにかかる費用も1万円前後と安く、即日で判決が出されます。裁判所に提出する証拠書類などは、賃貸借契約書や現場の写真、借用書や領収書など、裁判の当日に調べられるものに限られます。判決について、原則として控訴はできませんが、不服がある場合は異議の申立ができます。ただし、相手方が裁判のはじめに少額訴訟は嫌だと主張すれば、通常の裁判手続きとなります。

 東京都では、このような敷金をめぐるトラブルをはじめ賃貸住宅にかかわるさまざまなトラブルを防止するための「賃貸住宅紛争防止条例」がこの10月1日より施行されています。賃貸借契約の際の貸し手の説明義務や、入居中や退去の際の修繕に関する費用負担の原則などが明記されています。
 
 ◆サポーター募集中!

 同胞法律・生活センターでは住まいサポート活動を多くの有志の方々の協力を得ながら展開していきたいと思います。◆コリアンの住まい探しに協力してくださる不動産業者、家主の方々、ぜひご連絡ください。◆日本語をネイティブとしない方のための通訳サポーターも募集します。当センターの通訳サポーターとして登録させて頂いた上で、ボランティアとして活動していただきます。(金静寅、NPO法人同胞法律・生活センター事務局長)

[朝鮮新報 2004.10.26]

●住まいに関するこんなトラブル@

 Q 20年ほど前から借家ずまいで、毎月きちんと家賃を支払ってきました。大家さんは日本人ですが、親しく近所付き合いもし、これまでの契約更新の際も何のトラブルもなく円満にやってきました。しかし昨年、その大家さんが亡くなり、その息子が一切を相続し、私たち夫婦の住む家もその息子名義になったとのことです。先日、その息子が「家賃を2倍の20万に値上げする。応じない場合は契約を更新しない」という旨の内容証明便を送ってきました。夫婦ともに高齢のうえ無年金で、子どもたちの仕送りに頼らざるをえない生活なので、とうてい20万円の家賃など支払えません。また、値上げの理由も納得できません。私たちのような老夫婦が簡単に家を探すことなど困難ですし…。どうすればよいでしょうか?

 A バブル経済全盛期には「地上げ」など何かとトラブルのもとになった借地、借家に関する問題。ここ最近はまた別の種類の問題が起きつつあるようです。

 このケースのように、従来、大家さんと借家人との関係は、賃貸借契約による法律上の関係というよりも、お互いの人間的な信頼関係に基づくところが多かったようです。しかしながら、双方の当事者の高齢化や死亡などによって、これまでの円満な関係を維持していくことが難しくなる場合が多いようです。同胞法律・生活センターにも家主や地主が死亡して、その相続人との間で明け渡しや賃料の値上げなど、これまでにはなかったトラブルに直面する同胞からの相談が寄せられます。借りている側も高齢であることが多く、つぎの住まい探しや相手方との交渉など、当事者だけではなかなか手に負えない面倒な問題です。

 家賃の値上げについては、家主の一方的な意思表示によって値上げの効果が発生すると考えられており、相手方の借家人に通知されると、借家人はその値上げされた家賃を支払わなければなりません。しかし、家主は好き勝手に賃料を値上げできるわけではなく、その値上げ幅はきちんとした根拠のある適正なものでなければなりません。たとえば、固定資産税の増額や物価や地価の上昇、また周辺地域の同じような建物の家賃相場よりも低価であるような場合などです(借地借家法第32条1項)。

センター相談員紹介−広瀬めぐみ弁護士

 同胞法律・生活センターの相談を始めてすでに1年が過ぎました。在日のみなさんの抱えるさまざまな問題に触れ、自分がいかに一面的かつ楽観的なものの見方しかできなかったか、ということを深く感じています。

 また、みなさんの生きるコミュニティーの温かさ、団結力といった肯定的な部分とともに、その狭さ、それゆえに生じる軋れき、といった部分も感じています。

 法律家として、その負の部分を請け負うことになりますが、みなさんが少しでも暮らしやすい社会をつくるため、微力ながらがんばろうと思っています。(広瀬弁護士は同胞女性相談の日の担当、会社員、専業主婦を経て弁護士に)

 しかし、借家人は家賃の値上げについて納得がいかなかったり、あるいは家主と金額について折り合いがつかない場合は、その請求されている家賃を支払う必要はありません。従来通りの家賃か、あるいは借家人が相当と思う家賃を支払えばよいのです(同条2項)。しかし、従来通りの家賃(このケースでは10万円)あるいは相当と思う金額を支払おうとしたところで、家主は受け取らないでしょう。受け取らないからと言って、支払わないままでいると、「家賃滞納」を理由に、今度は明渡しを請求されることも十分にあり得るので、家主が家賃を受け取らない場合は、その家賃を法務局に「供託」(※注)すれば、滞納にはなりません。

 借家人と家主との間で交渉が難航するのであれば、「調停」による解決ということになりますが、それでも話し合いがまとまらなければ、裁判で適正な家賃を決定することになります。

 【注】供託とは:民法や民事訴訟法など法律の規定に基づいて、金銭、有価証券、その他の財産を、国家機関である供託所に寄託し、供託所を通じてその財産をある他人に受け取らせることによって、一定の法律上の目的を達成する制度。すなわち、一定の財産を相手方に受け取らせることによって、債務を消滅させることを目的とする。このケースのような、受け取ってもらえない家賃の供託を「弁済供託」といい、借家人が家賃を供託すると、借家人の家賃を支払ったことになる。供託手続きは法務局で行い、供託書、供託通知書(法務局に備置)、印鑑、資格証明書、供託金、封筒、郵便切手、賃貸契約書など。

◆サポーター募集中!◆

 同胞法律・生活センターでは住まいサポート活動を多くの有志の方々の協力を得ながら展開していきたいと思います。◆コリアンの住まい探しに協力してくださる不動産業者、家主の方々、是非ご連絡下さい。◆日本語をネイティブとしない方のための通訳サポーターも募集します。当センターの通訳サポーターとして登録させて頂いた上でボランティアとして活動していただきます。(金静寅、NPO法人同胞法律・生活センター事務局長)

[朝鮮新報 2004.10.12]



●住まいサポート

深刻な入居差別

 「衣食住」という言葉があるように、古今東西、人間が生活するうえでこの3つは絶対に欠かせないものと言えます。

 しかしながら、このうちの「住」については財産的価値が高いだけにトラブルの種になることも少なくありません。また進学、就職、結婚といった人生の節目、節目に賃貸アパートを探すことは誰しもが経験するようなことですが、在日同胞への入居差別は過去においてもそして今日においても深刻です。

 「朝鮮籍の人は入居お断り」「韓国籍の方にはテナント貸しはしたくない」−ここ最近センターに寄せられた相談の中にも、こういった偏見による露骨な差別を受けたという内容のものがありました。

 そもそも国籍や民族、また皮膚の色によって入居を認めないというのは法律上も許されるものではありません。

 在日外国人への入居差別に対しては、1993年に大阪地裁が家主に損害賠償を命じた「ペ・ゴニル裁判」があり、最近では昨年1月に、さいたま地裁がインド人に対して執拗に皮膚の色を問いただした不動産業者に対し、損害賠償を命じる判決を出しています。

 またここ数年は、外国人であることを理由に入店を断った静岡県浜松市の宝石店や、入浴を断った北海道・小樽の銭湯が人種差別だということで損害賠償を命じられるような裁判例もあり、露骨な差別であれば「出るところに出れば」勝てる公算がきわめて高くなってきています。

 しかしながら、実際には裁判まで起こして問題解決を図るというのは、さまざまな理由で難しい場合が多いのも事実です。

行政への啓発も

このような現実に対応し、当センターではこのたび、同胞たちに実効性のあるサポートを保障していくことを目的に住まいサポート部門を立ち上げ、住まいに関する相談、支援活動を精力的に行っていくことになりました。

 協力不動産業者と連携し、同胞がスムーズに希望する物件を探せるようにする入居支援、とかくネックとなる保証人問題解決のためのアドバイス、露骨な入居差別や欠陥住宅、境界線、日照権といった問題についての法的サポート、高齢者や障害者のための屋内リフトの設置における行政による補助制度の利用方法など福祉住環境整備のためのアドバイス、また新築、増改築時の留意点についてのアドバイス等、入居支援をはじめ、住まいに関する様々な悩みに応えていきたいと考えています。

 住まいサポート部門では、この間、神奈川で外国籍の人たちの住まいサポート活動に取り組んできた「安さんを責任者に、1級建築士や福祉住環境コーディネーター、不動産業者といったメンバーでこの活動推進のための計画立案、準備を進めてきました。そして今月1日より正式にサポート活動を開始しました。

 当センターでは今後、サポート活動の充実化とともに行政にも入居差別を無くすための啓発活動や入居支援に取り組むよう働きかけていこうと考えています。

 ※なお、この活動をより充実したものとするためにはより多くの不動産業者や家主の協力、「ニューカマー」のための通訳ボランティアが必要です。ご協力いただける方はぜひ、ご連絡ください。【金東鶴、NPO法人同胞法律・生活センター TEL 03・5818・5424、tonposoudan@yahoo.co.jp】

[朝鮮新報 2004.10.5]


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